自分のビジネスを多くの方に知ってもらうためにぜひ有効活用したいのが「SNS」です。
かつてはSNSを使って集客が比較的簡単に出来ましたが、各種サービスの規制が強化されたり、ユーザーのSNSリテラシーが高くなったことにより、 SNSで集客することが簡単ではなくなりました。
そんなこともあってか「SNSは終わった。」と言われる声も大きくなってきましたが、使い方を間違えなければビシネスに活用することはできます。
ここでは、SNSの動向や背景、そしてビジネスに戦略的に活用していく方法をお伝えしていきます。ぜひ、皆さんのビジネスの参考にしていただければと思います。
1.流行りのSNSと特徴
日本でSNSの先駆けとなったサービスは「前略プロフィール」。若年層を中心に一時期は450万人の登録者を誇りましたが、その後ミクシィへとユーザー移り、さらにTwitterやFacebookに利用者が移っていきました。
そのTwitterやFacebookも一時期の勢力は衰えていて、利用者数も減少しているようです。
気軽に投稿できる存在だったSNSですが、Facebookがもはやフォーマルな場になり、若者に限らず大人にとっても「SNS疲れ」が影響しているようです。
「SNS疲れ」は、発信する側にとっては、慎重に考えなければならないことであり、SNSの使い方をもう一度見直さなければならない状況にあると言えるでしょう。
とは言いつつも、SNSのビジネス効果はなくなった訳ではありません。効果的に使えば、ユーザーをファンにすることができるツールであることは変わりません。
2.主要なSNSと特徴
SNS利用者が少なくなっているとは言え、今でも変わらず世の中で今流行っている代表的なSNSは、
こちらの3つです。
中でも「Instagram」は2015年に最も成長したSNSでありInstagramが成長している傾向から、「テキスト」中心だったSNSから、画像や動画を中心としたSNSに流行が流れていると言えます。
今後は、ビジュアル中心の発信で、かつ、それぞれのSNSのユーザー層にマッチした投稿が求められていきます。そして、それぞれのユーザー層と特徴によって自分のビジネスに効果があるか判断ができます。
2021/02/19 追記
2021年一番熱いSNSはやはりClubhouseですね。音声系のSNSが流行ると言われてきましたが、このような仕掛けがされて、ある種異様な広がり方をしています。
このようなSNS情勢から、それぞれに適した
この点を踏まえて、各SNSのユーザー層を見ていきましょう。
①Facebook
ユーザー層 | 主に30〜40代 |
匿名性 | 基本的に実名 |
SNSは全体的な傾向として若年層のユーザーが多い中、FacebookはSNSの中でもフォーマルな傾向が強いことからか、30~40代のユーザーも多いSNSです。
②Twitter
ユーザー層 | 主に20〜30代 |
匿名性 | 匿名 |
TwitterはFacebookに比べてユーザー層の年齢が低く、匿名でアカウントを作れることが特徴です。
若年層のユーザーが多いということもあってか、Facebookよりも広告や売り込みを嫌がる傾向にあるので、ビジネスアカウントとして利用する場合は、ユーザーの信頼を損ねないように注意して利用しましょう。
③Instagram
ユーザー層 | 主に10〜20代 |
匿名性 | 匿名 |
Instagramは、画像を投稿するSNSとして広まっていきました。文章を投稿することもできますが、基本的には画像ありきの投稿が良いでしょう。
文章は投稿できますが、そこにリンクを貼ることはできません。リンクはプロフィール欄に1つしか貼れないので、Instagramからサイトへの誘導は少し難しいかもしれません。
自分のビジネスのターゲット層が使っているであろうSNSはどれでしたでしょうか?使えるSNSがあれば、ぜひ効果的に使っていきたいところです。
では、続いてSNSの戦略的な部分をみていきましょう。
3.運営側から見たSNS戦略
ソーシャルメディア全般のことを「アーンドメディア」呼びます。
アーンドとは「信頼を獲得する」という意味で使われており、その名前の通りアーンドメディアは“共感を得ること目的としたメディア”になっています。
なので、企業がアーンドメディアを運営する際に気をつけるべきことは
「信頼を獲得すること以外では使わない」
ことです。
ユーザーは非常にデリケートなので、信頼関係を構築する目的以外のことをされると一瞬にして去ってしまいます。
信頼構築以外のこととは、商品やサービスの売り込みや自社の売り込みです。Facebook上でセミナーの告知をしている人を多く見かけますが、今の時代においてFacebook上で売り込むような投稿は信頼を損ねることになります。
ユーザーが「SNS疲れ」してしまう原因は、発信側の無理な売り込みも一つの原因であると思われます。
なのでSNSでは、ためになる情報や面白い情報など、それぞれのSNSの特性に適した投稿していき、信頼構築することだけを意識して利用するようにしましょう。
4.ユーザーにとってのSNS
ユーザーにとってのSNSはどんな存在なのかを見ていきますが、
「ユーザーはどんな時に行動に移すのか?」
を考えると、SNSの効果的な使い方がわかるようになります。
4-1.ユーザーは基本的に行動しない
まず、基本的にユーザーはSNSでのあなたの投稿を見ないし、リンクをクリックしようとしません。つまり「行動しない」ということです。
自分に置き換えてみるとわかると思いますが、SNSでフォローしていてもタイムラインに流れてきた投稿を全部読むかというと、必ずしもそうでは無いと思います。興味がなければそのまま流すと思います。
あなたの投稿が流れてきても、しっかりと読んでいる人はごくわずかということを念頭におきましょう。
では、読もうとしないユーザーに一人でも多く読んでもらうにはどうするべきか、それを考えるのがSNS戦略であり、ソーシャルメディアマーケティングです。
4-2.ユーザーが動き出す3つのポイント
基本的に動かないユーザーが、クリックをしたり、いいね!を押したり、行動を起こすポイントが3つあります。
①自分ごと
自分ごとと感じたときに、いいね!を押したりシェアをしたり、何らかの行動に移します。
②共感
投稿の内容に共感したときに、いいね!を押したり、リンクをクリックしてその先を読んでいきます。
③ゲーミフィケーション
ゲーミフィケーションとは、スマホのゲームのように直接的にゲームをやるわけではないけれど、それをすることで一体感や達成感を得られるようなゲーム性のあることを言います。
最近ではTwitterやInstagramで、「#○○をつけて投稿すると抽選で100名様に□□が当たる!」というようなキャンペーンを行っているところがありますが、これも一つのゲーミフィケーションです。
5.人々がSNSでシェアをする5つの動機
ユーザーにとってのSNSを考えた上で、自社のことや自分の記事を広めるために、多くの人にシェアをしてもらいたいところです。では、ユーザーはどんなときに SNSでシェアをしようとするのでしょうか?
上にあげたユーザーが動き出す3つのポイントに関連していますが、ユーザーがどんなときにSNSの投稿をシェアするのかをまとめました。
人々がシェアをする5つの動機
- 役に立つから
- 他人から見た自分を定義するため
- 関係性の維持・深めるため
- 自分の存在を示すため
- 自分の主張やブランドを示すため
ユーザーがシェアをしている動機も、あなたが何気なくシェアをしている動機も、これらの5つのうちのどれかに当てはまるのではないでしょうか。
①役に立つから
これは単純に、その情報が「役に立つから」「面白いから」という理由でシェアをされます。
そして、自分がシェアをした先には自分の友達がいるので、その友達、つまり受けてに取ってためになるかを考えながらシェアをしています。
特に日本人は、シェアした先の友達にどう思われるかを“とても”気にするので、自分が面白いと思ってシェアをしようと思っても、受けてのことも考えてしまい、素直にシェアをしないという特徴があります。
②他人から見た自分を定義するため
自分がシェアをすることによって、自分が他人からどう見られるかを考えてシェアをします。
硬くいうと、
- 「自分が他人に思われたい自分を形成できるかどうかを考えてシェアをする」
ということになります。
簡単にいうと、
- 自分が「ワイン好き」と思われたければ、ワインに関連する投稿をシェアする。
- 自分が「野球好き」と思われたければ、野球に関する投稿をシェアする。
- 自分が「意識高い人」と思われたければ、健康に関する投稿をシェアする。
という感じです。
ワインに関する投稿をシェアすることで、「○○さんはワインが好きなんだね~」というイメージが定着して「○○さん=ワイン」と定義してもらうことができます。
③関係性の維持・深めるため
Facebook内の友達との関係を維持したり、深めるためにシェアをします。
誰かの投稿にいいね!を押してあげたり、シェアをしてあげることで、なんとなく関係が維持されるような感覚になります。
特にFacebookは「顔出し」をするSNSなので、いいね!やシェアをしていれば、数年会っていなくても久しぶり感が無く、いつも会っているような感覚になります。このような体験をしたことはあるのではないでしょうか。
また、普段は会わない友達でも、いいね!やシェアをしてあげることで、いざ会ったときに
「いつもいいね!ありがとうございます~」
みたいな会話をすることもあるように、なんとなく関係が深まったように感じるものです。
④自分の存在を示すため
日本人はシェアに対してのコメントやいいね!をあまりやらない傾向にありますが、自分がシェアをした投稿にいいね!をしてもらったり、コメントをもらうことで、自分が認められたような気分になれるようです。
これはシェアに限らず、自分が「カフェで本を読んでいる」みたいな写真付きの投稿をするのは、それに対していいね!をもらって、認められたという感覚になりたいからなのでしょう。
自分の投稿にいいね!が付かないと寂しくなる人もいるようですが、それは「認められなかった」と感じるからでしょうか。
⑤自分の主張やブランドを示すため
「自分の主張はあるけど自分からは言えない」ことを、誰かが代わりに主張して投稿をしてくれていると、それをシェアすることによって「自分も同じ意見である」ことを示すために、シェアをします。
上でも解説したように、日本人はシェアをした受け手がどう感じるかを気にする特性があるので、「変な主張をしていると思われたくない」という気持ちが働くので、自分の主張を示すためのシェアはそんなに多くはないのかな、と思います。
6.SNSはデリケートに扱う
SNSの特徴を見ていきましたが、日を追うごとに扱い方がデリケートになっているのがSNSです。
自分のことを広めるために役に立つツールですが、逆に言うと悪い評判も広がってしまうこともあります。
SNSは信頼を獲得するためのメディアであるということをしっかりと忘れずに、どんな投稿が適切で、ユーザーに届くのか。じっくりと検討してみてください。